2017.10.17

Zadankai

ここここメンバーや、ここここ界隈の人たちと、「右下っぽさってそもそも何?」を語らう、ここどこ探求座談会。

第2回は、「スーパー町内会活動」とのコラボ企画として、公開取材という形のイベントを開催しました。

「スーパー町内会活動」発起人のひとりである劇作家の岸井大輔さんに、ここここ運営メンバーをインタビューしてもらい、ここここ立ち上げの経緯などを話しつつ、さらに「右下っぽさ」について考えました(ちなみに、3人いる「スーパー町内会活動」発起人のうち、もう2人は、ここここ編集部メンバーでもある梅山晃佑と藤田ツキトです)。

3時間に及ぶイベントとなりましたので、抜粋バージョンでお届けします。

 

そもそもの始まりは・・・?

岸井: 「右下」って、どうやらこのWEBの表紙の4名が中心のようですが、誰が言い出したんですか?

武田: 私です。

岸井: おお、まさに西遊記みたいだね。この場合、右下を目指す三蔵法師は、まず誰を誘ったんですか?

武田: はじめは梅山君ですね。

森川: え〜〜。じゃあ僕、猪八戒かあ。

一同: (笑)!

武田: 私が梅山くん→森川さん→ツキトさんの順で誘いました。

岸井: そうすると、順番的には、森川さんが猪八戒ということにはなりますね。順番ですから。

武田: まず、梅山くんを誘ったのは、自分の周りでは、この概念を一番わかってくれそう、且つ「右下っぽい人たち」が梅山くんの周りに山ほどいそうだと思ったからです。ネットワークの幅も広いし。

岸井: なるほど~。 梅山くんは、自分が「右下」と言われてピンと来たの?

梅山: はい。もともと「右下」とかいう言い方が出る前から、緑ちゃんとはこんな感じの話はしてたので、それも大きかったと思います。例えば、最近の選挙の時とかに自分も含めて周りが「維新か共産党か」みたいな感じで大体割れて、消去法で投票してる人が多くて(笑)。どっちの言うことも、半分わかるけど半分は違うって思ってるというか。「ここ!」っていう、ドンピシャで共感できるみたいな感じになってないのは「これって一体何なんやろう?」と。どうも「こういう人たちが一定数いるんだなぁ」と思ってたんです。

岸井: あ、それが「ここここ」の「ここ」か!(笑)  森川さんを誘ったのは?

武田: 森川さんは私の地元の、隣の小学校区の人なんですが、地元の人を誘いたかったってというのがひとつ。あとは、初めて昭和湯の「アヒル湯」を知った時に衝撃的だったんですよ! 古くて長くて身動きの取りにくい商店街組合とか地域団体にいながらも、飲み込まれているわけでもなく・・・っていう森川さんの動き方がすごいなあと思ってて。きっとこの話わかってくれるんちゃうかなって。

岸井: 「アヒル湯」をやってる人だったら、「右下」って言ったら通じるんじゃないか・・・ってことですね(笑)。それはわかる気がする。森川さんはどうでした? 自分が「右下」と言われてピンと来ました?

森川: まぁ、正直に言うと・・・わかろうとする努力、ですね!

一同: (笑)!

森川: わからない部分を知ったかぶることで、「英語が突然聴き取れるようになった・・・!」的な理解を目指してます(笑)。
だから、「僕なりの『右下』って、こうなんやで」というのは、発信するようにしてるんですよ。自分なりに考えた右上や左上の例を挙げたりして、その上での「右下」を説明するようにして。よく言ってるのは、「結果の平等」が下側で、「機会の平等」が上側かな、とか。左側が「現状維持」なら、右側は「未来志向」で、右から左に時間が流れることで、考えが古くなっていってるようなイメージで理解してます。


岸井: 「改革指向」を右にして、「現状維持」を左にしてるっていうのが、たぶんこの図の一番面白いところだと思うんですよ。普通、現状維持が「右」で、改革が「左」なんだけど、あえて逆になってるんだよね。
日本は、憲法を一番変えたいのが「右派」で、憲法を一番守りたいのが「左派」。もともと左右ねじれているところがあるから、「右・左」ってことばを新しく捉え直す意味でも、ちょっと面白いなと思いました。

(4象限の図はこちらのページ)

武田: 別に、座標軸は左右逆でも上下逆でもいいんですけどね。一般的に考えると左右逆の方が、わかりやすい感じがするかもね、という話も出たんですけど、もうそれはあえて「そういう昔ながらの右翼左翼とかそういう発想から飛び出したい(笑)」ということで、これでいくことになりました。
メンバーは、割とフィーリングで誘ったんですけど、「右下」ってつまりどういう人たちで、どういう考え方で、どういう傾向で動いていくんやろう、みたいなことが、4人で話すとそれぞれちょっとずつズレていたりとか、新鮮に感じる発想もあったりして、それを話してるのは結構楽しいですね。

岸井: なるほど。では、最後のツキトさんは、どうやって誘ったんですか?

武田: 私自身、実は、ツキトさんとははじめましてだったんですが、活動は知っていて、梅山くんも森川さんも、ツキトさんを誘うといいんじゃない?と言われて。

ツキト: 僕は、最初、壮大なプロジェクトに思えたんですよ。だから、中途半端にやったら、すごく中途半端に終わりそうやし、その時の自分が、そこまで注ぎ込むほどエネルギーがない気がしたので、とにかく一旦集まって話しようかとなった時に、批判というほどじゃないけど「これ大丈夫なの?」って言って、沈めようかなって思ってたんですよ、実は。

岸井: まさに、沙悟浄ポジション!

一同: (笑)!

ツキト: でも、取り組みとか個人の話だとピンとこなかったけど、政治の話になった時に割としっくりきたんですね。左上、左下、右上に当てはまる政党をなんとなく考えていった時に、確かに「ここ(右下)」ないなぁって思って。自分も、選挙の時にはどこに入れていいのかっていうのがわからなかったりするし。大阪やったら、自民か維新かみたいな感じで、じゃあ今回はこっちに入れようかなとか言いつつ、「でもなんか“ここ”じゃないんよな~」みたいな感覚はあったので、そこはすごいわかりやすかったですね。

(岸井大輔さん。イベント前に昭和湯に入ってからの登場。)

岸井: 本来、具体的な取り組みとどの政党に投票するかって話は直結してるはずなんだけど、日本では政党の話をしてる時には具体的な事例の話じゃなくなる傾向があるよね。政治の話と身近な取り組みがあまりつながってないというか。日本人が「政治」という言葉を使う時は、「投票すること」とか「デモをすること」であって、こうやって集まって話すことは「政治」じゃないんだよね。でも、こうやって集まって話すことだって「政治」なんですよ。

一同: (頷く)

 

議論をし続けること=右下っぽさ?

ツキト: 政治的に言っても、右下が空白になってるし、きっとこれから求められてくるんだろうな、みたいな。

岸井: すると、これは政党旗揚げみたいな話になっちゃうの?

ツキト: そんなつもりは全然ないですけど、例えば「右下党」みたいなのができたとしたら・・・

一同: 右下党・・・(笑)。

ツキト: 党としては、ブレないために「常に右下であらねばならない」ってなってしまいそうですよね。そうなると他の3つの枠を「それは違う」って否定しなければいけない。でも、それって、なんか全然右下っぽくないよな、と思うんです。だから、右下党をつくるのは難しい。

岸井: あ、でもその話って、マイケル・サンデルの定義がわかりやすいですよ。サンデルが言ってるのは、人間が何を正義だと思うかというのには3つの大きな立場がある、と。

ひとつは、「平等」。でも全員を「平等」にしようとすると、「自由」が損なわれる。「自由」が大事だと思うと、「平等」が損なわれる。もう1個は、「コミュニティ」ですよね。つながりが大事だ、みたいな話になると、「自由」とか「平等」がうまくいかなくなる可能性がある。

で、どれが一番正しいかというと、「結論は出ていない、というのが正しい」というのがサンデルの結論なんです。したがって、正義とは何かと言うと、「立場の違う人たちが無限に議論をし続けて、それが現実に影響を与えることが正しい」というのが結論。

右下の人たちは、多様な議論を認めるっていう価値観だから、要するに全員と話をするっていうことなんだけど、それは右下じゃないとできないことなんじゃないかな。競争志向や現状維持は、いろんな人の意見が排除されますよね。

徳田: その人らしさを大切にするとか、その都度関係者の都合に合わせて話し合うとか、そういうのを大切にするのが右下らしさのひとつかと思うんですけど、それにすごくつながる話ですね~。

岸井:そうですね。

 

悩んで不安になるだけじゃなく、考えて動くのが右側。


武田:
 「現状維持」っていう言い方は、維持したいと思っている人たちという意味もあるんですけど、時代の変化を認識できてるかどうかというところもあると思ってます。

岸井: じゃあ、ここで言っている「改革」って言葉は、「今が見えてる」ってことだね。「現状維持」ってのは、今が見えてないってことか。

武田: そういうイメージですね。別に、意図して「現状維持」をしている人だけではなくて。左側の人に「あなた、現状維持派ですよね?」と言っても「はい、そうです」とは言わない人も多いと思います。

岸井: 左側の人たちは、何が見えてないんですかね? あの人たちの政治は、「どうも自分たちとは関係ない」みたいな実感があるんですけど。どこに着地してないんですかね。

武田: 私が、左下の人たちに感じるのはやっぱり「もう高度経済成長期じゃないんだから・・・」みたいなことですね。社会全体のパイは、もう大きくなっていかないんじゃないかっていう・・・。だから、創意工夫を凝らして、小さくなっていくパイをどうしていくかっていうことを考えないといけないと私は思ってるんですけど。

ツキト: 悩んで困ってるだけじゃなくて、考えるのが右、とか。不満や不安をそのままにせずに動いていくのが右、みたいな。

一同: ああーー・・・。

武田: 右の方が、クリエイティブが働いてるはず。

梅山: 右側の人は、「このままでいるのが、不安」みたいな感じで、左側の人は、「変化するのが、不安」っていう感じはありますね。

岸井:なるほどー。悩んでるけど動いてないってのは、良く言えば客観性があるってことでもあるんですけどね。考えて動いてる人ってのは、もちろん良いんだけど、その中に入り込んじゃってる面もあるから。

 

大阪だから「ここここ」が生まれたのかも

岸井: 聞いてると、大阪だなーと思いました。「右上」としての維新というのが強くないと、この図があんまり出てこない気がします。維新がこんなに具体的に現実を動かしたのは、大阪だけだから。
「考えて動いた」ものとしての維新は、良かったけれども、何が違うかなと思うと、競争志向だったということなんですかね?

武田: あ、でも、私が右下とか考え出したのは、明らかに維新の存在があったからですね。都構想の住民投票の時とかに、すごい考えて、身動きが取れなくなった自分がいて。

岸井: 「右下」ってのは、「維新後の大阪」に対するアンサーでもあるってわけですね。

梅山: そうかもしれません。

岸井: いやぁ、今の日本でやらなきゃいけないことは、右下の人たちが「『私たち、右下です!』って言うことですよ。本当に、もうちょっとその声が大きくならない限り、何も変わらないですよ。だから、すごい期待をしています。

一同: (笑)!

武田: そこまで期待されてるとは思ってもなかった!(笑)

全部載せきれないのが残念なくらい、一般参加者の方の発言も含めて面白い会となりました。

今回の記事では、ここここ運営メンバーそれぞれの右下っぽさや取り組みなど、個別のインタビューと重複する内容は思い切って省略しましたので、ぜひ各インタビューを読んでみてくださいね!

ここここ|武田緑さんインタビュー(前編)
ここここ|梅山晃佑さんインタビュー(前編)
ここここ|森川真嗣さんインタビュー(前編)
ここここ|藤田ツキトさんインタビュー(前編)


第2回ここどこ座談会|2017年9月24日(日)18:00〜21:00
(公開インタビュー合戦2 「右下っぽさ」ってなに? 「スーパー町内会活動」って右下っぽいですよね?)
会場:銭湯付きゲストハウス木雲(moku moku)
参加者:(ここここ運営メンバー)武田緑・梅山晃佑・森川真嗣・藤田ツキト
(スーパー町内会活動発起人)岸井大輔・ 梅山晃佑・藤田ツキト
(ここここ編集ライター)徳田なちこ(一般参加者の方々)6名

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