2018.12.28

Interview

前半では、社会が変わるとは何かを考えて続けてきたことや、現在の公教育の変革について伺った。後半は、そんな武田さんのスタンスに迫る。

共感と使命感

——1年前のインタビューで、もともと教員を志望してたとありましたが、武田さん自身は公教育の中でしんどい思いをしてきたほうなんですか?

武田: うーん、私は子ども時代は、学校に普通に適応して生きてきた派なんですよ、こんな活動しといてあれなんですが。

——えっ! いいなあ。わたしは苦しんだ派なので。でもそれってなんかすごく優しいですね。

武田: ははは、なんですか、それ(笑)

——だって、自分はそのしんどさを実感してなかったのに、困っている人のために課題解決の活動を10年以上続けてるんですよね。優しい・・・。

武田: 優しいかどうかはわかんないけど、大学のときにフリースクールとか学校教育の現場に入っていく中で、しんどい思いしてる子とか先生とか、子ども時代にしんどかった大人とかに出会ってきたことが大きいと思います。たしかに今の学校の中って理不尽なこといっぱいあるな、そうじゃない方法のほうがいいやんって思うことが普通に多くて。なんかね、そういうのってうつるねんな・・・。しんどい感覚の種みたいなものが撒かれる感じがある。その状態で現場に入ると、しんどい視点がわかるようになったんです。それで教員してた期間は苦しみました。

——なるほど。人生の中で、自分は何に取り組んでいくのかって、それを探すところから紆余曲折ある人がたくさんいると思うんですけど。武田さんの場合はとても若いうちに教育というテーマに出会って、だからこそ掘り下げて試行錯誤する時間もあるし、できることもたくさんありそうですね。使命を背負ったみたいな感じなんじゃないですか。

武田: 使命みたいなのは、けっこう感じてます。別に持たなくて生きてもいいのにねー。でも私は、どうしてもあるんですね、なんか突き動かされる何かがあって。そんなものなかったらもっと違う人生の選択肢も増える気もするけど、まあでもこの人生でおもろいから、いいかなって感じですけどね。

リレーインタビューについて

——せっかくなので、これまでつながってきたリレーインタビューについての感想を聞かせてください。

武田: 「ここここ」のインタビュー、すごい面白いんですよね、編集長の自分で言うのもなんですが。まず上田假奈代さんなんかは、もともと私の憧れの人で。ご本人は「社会実験は失敗した」とおっしゃってるんですけど、全然そんなことなくて、インパクトがあると私は感じてます。

——ココルームは知名度も高いですよね。

武田: そう。発信をきちんとしてるのに、地に足のついた活動をしてる。コミューンっぽくないというか閉じてないというか、それってなかなかなくて。あ、喫茶店とかゲストハウスとか「場」を持ってることが大きいかもしれませんね。センスあるよなーすごいよなー。

——秋田光軌さんはどうでしょう。

武田: 光軌さんは、代々続いた活動(お寺)を継ぐっていう難しさは大きかっただろうと思います。自分が学んできた哲学と宗教とを、光軌さんの中でバランスさせたポイントがあるんでしょうね。

——先日開催したここここ座談会でも「二代目は右下になりやすいのでは」と話題になりましたね。地域と関わっている既存の場所(下側、共生志向)を継いだ上で、でも時代に合わせて変化(右側、改革志向)させないといけないから、という。

武田: そうそう、あと、仏教は右下っていう話がすごく面白かった! 智慧(改革)と慈悲(共生)どっちも必要という。前半した、教育の話にも通じると思います。智慧を生み出して(改革して)公教育の外に出ていくのもいいけれど、元いた場所(公教育)が沈んでいってることが見えてるか。それって慈悲の面ですよね。きっとそのためには、全体を見るのが必要なんだと思います。自分のいるところだけじゃなくて、他者がどこでどう過ごしてるかって。

——汐月陽子さんは唯一、初対面だったそうですね。

武田: なんか、実はマイノリティの傷みたいなものに取り組んでいるというのが意外でした。光軌さんから紹介を受けたときはそんなイメージなかったんですけど。私はずっと、差別とかマイノリティについて割と正攻法で取り組んできたんだけど、汐月さんはそれだけじゃなくて、仕掛けづくりというのかな。

——汐月さんご自身は「打撃力」という言葉を使われてましたね。

武田: そうそう。なんていうか、マイノリティの人に出会う機会って、講演会とか特殊な場面がほとんどだから。もっと普通の場面で、そういうつもりがなかったところで出会わせてしまうような活動をしてるのかなというふうに理解しました。

——次回から、またリレーインタビューが続いていく予定ですが、この次はどんな方にバトンを渡そうと考えているんですか。

武田: 今は、社会起業家の人たちに話を聞いてみたいなと考えてます。お楽しみに。

——武田さん、ありがとうございました。

今回のインタビューは、東淀川駅前にある武田さん(Demo)の事務所兼フリースペースco-arcで実施しました。レンタルスペースとしての活用やイベント開催もしています。

(ライター:宮崎絵里子 取材日:2018年11月23日

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